美容師が転職を成功させる秘訣

美容師が転職を成功させる秘訣とは?転職する際の注意点や転職先の選び方、履歴書の書き方、面接などに関して、また、現在勤務している美容室から別の美容室への転職、美容師を辞めて異業種への転職などについての情報を掲載中。

美容師のお給料は安い?高い?

美容師と賃金

今までの記事を読んでもらえるとわかるのですが、

美容師の仕事はある意味肉体労働です。

 

これだけ働いて、収入はいくらになっているのか?

美容師であるみなさんは見当がついていると思いますが、

あらためてご紹介いたします。

 

転職を前提に考えているが...躊躇することもあります。

美容師の収入面についてある程度知っておく事で、

今後の将来設計も立てやすくなると思います。

 
ここでは美容師の平均的な月収や年収についてご紹介します。

 

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どの美容室もスタイリストやアシスタントといった

ランク別の給与システムにしているところが多いようです。

 

初任給や年収、給料の格差はどのくらいあるのか?

等についてもまとめましたので、参考にしてください。

 

 

 

給与システム

美容師の給与システムとしては、「ランク制」と「歩合制」を

取り入れている美容室が多いのが大きな特徴です。

 

アシスタントは固定給にしている美容室が多いといわれています。

一部では歩合制も取り入れていますが、歩合制の恩恵を受けるほど

ではないのが現状です。

 

スタイリストになると固定給+歩合制という形になります。

お客様から多くの支持をいただき指名客が多くなると、

その分仕事量も増えますので収入が増える仕組みですね。

 

歩合の割合は勤務する美容室によって異なりますが、

仕事を多くした分、給与アップにつながっています。

 

 

初任給

美容師の初任給は13万円から17万円前後が多いです。

美容師の場合、技術職の一面を持っているため、

入社間もない頃は何もできません。

 

この状態からスタートし技術を身につけていくため、

語弊があるかもしれませんが、見習い同様です。

それゆえに十分な収入を得ることができないのです。

 

しかし近年は少子化と美容師の人材不足により、

初任給が18万円と設定する美容室も出始めてきました。

 

 

 

美容師の給与と平均収入

さて、美容師はどのくらいの給与なのでしょうか?

平均年収は約260万円。平均月収が21万円

 

少ない..といった印象ですね。

この数字は厚生労働省によって2016年2月に発表された

平成27年賃金構造基本統計調査で明らかになった数字です。

 

賃金構造基本統計調査では、美容師単体ではなく、

理美容師としてまとめた数字が発表されているのです。

 

よって、美容師のみの統計ではないということも

考慮に入れてください。

 
それにしても収入が少ない印象ですね。

勤務時間が10時間、12時間に及ぶのに平均月収が21万円。

時間単価にすると1,150円くらいです。

 

1日12時間以上の勤務が当たり前というサロンもあるので

実際の時間単価はもっと低い計算になります。

 

しかしその反面、多くの収入を得ている美容師がいるのも確かです。

 

美容師はランク制や歩合制によって収入が増減しますし、

有名なヘアスタイリストになることで待遇面も大きく

変わることがあります。

 

人気のあるヘアスタイリスト、有名なヘアスタイリスト

または経営者になり成功する道もあります。

 

転職の際は前向きな思考で検討することをオススメします。

 

 

ランク別の給与

ほとんどの美容室では美容師のランク制が導入され、

給与はランクによって変わります。

 

美容師全体の給与は多くありませんでしたが、

キャリアアップすることで月収50万円以上の可能性も!

 

早速、ランクや地域差を考慮しながらの給与について

見ていきましょう。

 
アシスタント

スタイリストとして正式にデビューするまでの期間を

アシスタント呼んでいます。

 

シャンプーやトリートメント、カラー剤の塗布、

ロッド巻き、ストレートアイロンによる施術などの

カット以外を主に任されます。

 

入社したばかりのアシスタントの給与は低めです。

平均月収は総支給額で17万円前後。総支給額ですから

税金や社会保険料が引かれる前の金額ですね。

 

地方のサロンでは新卒美容師の平均月収が16万円前後で、

都心の有名サロンの給与はもう少し低い傾向にあります。

 

Jr.スタイリスト

美容室ごとに設けられたカットのテストに合格し、

スタイリストとしてお客様のカットも任せてもらえる、

デビューしたばかりのスタイリストのこと。

 

月収は平均で16~23万円前後です。

 

この時期はまだ指名がつかず、報奨金等のオプションによる

給与アップは少ないでしょう。

 
スタイリスト

Jr.スタイリストとしてデビューした後、一定期間または

一定レベルに達し、スタイリストになるためのテストに

合格するとスタイリストとして認められます。

 

スタイリストとして認められる基準は、美容室によって

様々でである。

 

月収は平均で20~30万円。

また、この頃から指名や役職手当てが上乗せされるので

同期の美容師間でも格差がつき始めます。

 

トップスタイリスト

技術、接客だけでなく人格も含め、お客様に多く支持される

美容師だけがなれる...それがトップスタイリストです。

 

月収は50万円以上です。上限は様々です。

トップスタイリストでもサロンワークのみの美容師もいれば

テレビや雑誌の仕事を中心に行う美容師もいます。

 

活躍するフィールドが違うので月収も一括りにできません。

 

下積みが長く厳しいアシスタントという時期を乗り越え、

スタイリストとして努力をした美容師だけが

トップスタイリストになることができます。

 
経営者・オーナー

将来は独立したい、経営者になりたい、分社して任された等、

様々ですが繁盛店のオーナーは月収何千万という人もいます。

 

その反面、スタイリストとして美容室に勤務していた頃よりも

月収が低くなることもあります。

 

生涯年収

一般論になりますが、大卒のサラリーマンの生涯収入は

2億5千万円前後。

 

美容師の生涯収入は8,000万円から1億5千万円前後。

かなり開きがありますね。

 

大卒のサラリーマンの生涯収入に比べても低いのが

現状です。

 

 

美容師の給与が安い理由とは?

なんといっても生産性の低さが最大の理由です。

動いているお金の桁が違うのです。

美容室でのカット料金、いくらでしょうか?

 

株式や為替、いくらのお金が動くのか?

販売でもそうですね。額の大小はあるにせよ、

動いている金額の桁が段違い...

 

考えればすぐにわかりますよね。

 

また、アシスタント時代は会社やお店に利益をもたらすことが

できない事情もあるのです。

 

経営者が利益を生まないアシスタントに給料を払うのは、

将来性への投資と考えています。

 

アシスタントスタッフがスタイリストになれば、

利益を生む人材になるわけで...

そうすれば投資回収ができるのです。

 

さらに、美容師には賞与(ボーナス)が少ない、

もしくは無いに等しいのが現状です。

 

このような事情から必然的に美容師の給与は安いのです。

 

 

給与は勤務先の美容室によって変わるの?

美容室に限った話ではありませんが、勤務先によって

給与の額は変わります。

 

経営者によって物事に対する考え方が違いますし、

売り上げの一部が給与になるので、当然といえば

当然の事ですよね。

 

給与の事は求人票や募集要項だけではわかりにくいので

面接のときに給与の事って聞きずらいなぁと思わずに、

しっかり聞いておいたほうが良いでしょう。

 

 

男性美容師と女性美容師では給与格差はあるの?

ここでも「平成27年賃金構造基本統計調査」より、

男性美容師と女性美容師の給与格差について

見ていきましょう。

 

男性美容師の平均月収は約25万円、平均年収は308万円(賞与含む)

です。女性美容師は平均月収が約22万円、平均年収(賞与含む)は

271万円と大きな格差はありません。

 

他業種は月収の男女差が5万円以上になる場合もありました。


 給与格差が生まれてくる背景には、女性の場合

  • 結婚での離職
  • 妊娠・出産での離職

が影響しています。

 

しかし、女性でもトップスタイリストとしてや経営者として

活躍している美容師が多くいます。

 

男女問わず活躍できる業種ゆえ、給与格差が少ない業種なのかも

しれません。

 

※ 給与等の数字は平成27年賃金構造基本統計調査より参照。

政府統計の総合窓口 統計表一覧 職種 よりご覧いただけます。

 

 

美容師の時間外労働と休日労働

美容師の時間外労働について

 

美容師の休日の中でも触れたことなので

重複しますが、あらためて解説します。

 

美容師の時間外労働については、

  • 早朝のセットや着付け
  • 受付終了後の残業

の2種類になります。

 

早朝のセットやメイク、着付け

 

結婚式、お茶会、舞踊、生け花などの

お呼ばれで営業開始前にお仕度をする

事が多々あります。

 

入学式や入園式、卒業式や卒園式も同様に

早朝のお仕度になることが多いです。

 

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これは、美容室の方針によって予約を受ける、

受けないが分かれてくるところではありますが、

お客様からの問い合わせがあることは確かです。

 

それに、このような大切な席に出向くには、

普段担当している慣れた美容師に頼むのが

間違いないと思っているお客様も多いでしょう。

 

指名された美容師も腕の見せ所なのかもしれません。

 

担当したお客様が会場の中で一番素敵でいてほしい...

そう思ってセットや着付け、メイクなどの施術を

しているのですから!

 

受付終了後の残業

こちらは日常業務の一環となります。

休憩時間を含め9時間を超過したところから

時間外労働になります。

 

問題は、残業時間に対して適正な割り増し賃金が

支給されているのか否か...です。

 

美容室に限ったことではありませんが、

みなし残業手当で支給されていることも

多々ありますよね。

 

みなし残業手当は、固定残業手当とも呼ばれています。

企業が一定時間の残業を想定して、あらかじめ月給に

残業代を固定で記載し支給する事をいいます。

 

これにより残業時間を計算しなくても固定分の残業代を

支払うという制度です。

 

一般的には「みなし残業」とも言われています。

近年厳しくなっている労働問題の対策として、

この「固定残業代」や「みなし残業」を悪用し、

固定残業以上の残業をしても残業代を払わない。

 

そんな企業が後を絶たないのです。

 

参考になるサイトがありました。

roudou-pro.com

 

 

 

美容師の休日労働

 

美容師の休日労働は、

  • 店舗休業日のセットやメイク、着付けの予約
  • シフト上の休日にお客様の予約が入った

この2通りでしょう。

 

店舗休業日のセットやメイク、着付けの

予約については前述の通りです。

 

シフト上の休日にお客様の予約が入った場合は

通常メニューがほとんどでしょう。

 

この場合、予約のお客様だけ担当し、

終了次第退勤するケースと、終日予約を入れて

勤務するケースがあります。

 

お客様の予約の入り具合とスタイリストの都合で

調整する事がほとんどです。

 

このように断るに断れないケースの休日出勤も

美容師にはつきものですね。

 

 

美容師の休日と年次有給休暇について

美容師の休日

世間一般では、週休二日制が当たり前のように言われていますが、

美容師の世界はまだまだ整備されていません。

 

美容室の定休日にはメーカーやディーラーの

講習会へ参加したり、モデルの撮影会などで

潰れることが多々あります。

 

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一般企業の場合、休日に出勤すると振替休日または

代休が取得できますが、美容師は取得できないことが多いです。

 

しかしこれはスキルアップやキャリアアップのためなので

必要なこととして捉えている美容師がほとんどです。

 

美容という職業は常に流行とともに歩み、

お客様のヘアスタイルも年々変化します。

 

お客様の要望に応えられるようにするには、

アンテナを張り巡らせ情報をキャッチし

技術に結び付ける努力が必要なのです。

 

これは日々の営業の中でできないことだから、

どうしても営業時間外に勉強するしかないのです。

 

 

 

美容師の年次有給休暇

年次有給休暇についてもすべてを消化できていないのが現状です。

それどころか一日も取得実績がない、という話も耳にします。

 

なぜ、このようなことが起きるのでしょうか?

 

美容師は離職率が高く、人材不足が原因の一つです。

 

スタッフが有給休暇を申請・取得すると人手不足の現場は

さらに人手が足りなくなり、お客様を待たせてしまうし、

予約を断ったりといったように支障をきたします。

 

このことはスタッフ側も容易に想像がつきますので、

有給休暇の申請を遠慮していることも事実です。

 

美容師の働く環境が一般企業のようになるのは

なかなか難しいですね。

 

また、年次有給休暇が勤続何年で何日付与されるのかを

把握してない美容師が多いのも原因の一つかもしれません。

 

年次有給休暇の付与日数

年次有給休暇は、雇い入れの日から6か月間継続勤務し、

その間の全労働日の8割以上出勤した労働者に対して

最低10日を付与しなければなりません。

 

その後は、継続勤務年数1年ごとに一定日数を

加算した日数となります。

 

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また、1週間の所定労働日数が4日以下かつ所定労働時間が

30時間未満の労働者、または1年間の所定労働日数が

48日以上216日以下かつ所定労働時間が30時間未満の

労働者については、その労働日数に比例した年次有給休暇

与えられる(第39条第3項、施行規則第24条の3)。

 

これを年次有給休暇の比例付与という。

 

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年次有給休暇 - Wikipediaより一部引用

 

法律の表現ってわかりにくいですね。

 

普段使っている言葉にすると、パートやアルバイトでも

一定の勤務時間と勤続年数をクリアすると年次有給休暇

付与されますよ...ということなんです。

 

厚生労働省有給休暇ハンドブックがあります。

時間があるときにでもご覧ください。

 

このようなことを知っている美容師もいるのですが、

なかなか取得申請できないのが現状なのですね。


20年以上前は、美容業界の常識は一般の非常識、

なんて言われたものですが、今も変わらないのかもしれません。

 

美容師の労働環境が整備され、今以上に

素晴らしい職業になることを願っています。

 

 

美容師の労働時間と休憩時間について

美容師の労働環境は過酷だ...書きました。

今回は美容師の勤務時間を労働基準法

当てはめてみようと思います。

 

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労働基準法とは?

 

労働基準法は、労働条件(労働時間、休日、賃金など)の

最低基準を定めた法律です。

 

この法律は、正社員はもちろん、契約社員

パート、アルバイト、派遣労働者など、

すべての労働者に適用されます。

 

なお、就業規則雇用契約の労働条件が

最低基準に達していない場合、その条件は無効となり、

労働基準法の条件に引き上げられます。

 

労働基準法の中で、特に重要なのが次の①~⑤の事項です。

 ① 労働時間、休憩時間

 ② 休日、年次有給休暇

 ③ 時間外労働、休日労働

 ④ 賃金

 ⑤ 解雇

 

労働基準法 - ひらく・ナビ20より引用

 

それでは1から5までを一つずつ検証してみましょう。

 

 

1 美容師の労働時間と休憩時間

最初に、労働時間=勤務時間とします。

 

労働基準法では労働時間について一日8時間、

週40時間と定めています。

 

一日8時間を超えたら時間外労働となり、

割り増し賃金を支払うことになります。

 

休憩時間については一日6時間を超え8時間未満の場合は45分、

8時間を超過した場合は60分の休憩を付与しなければなりません。

 

9:30朝礼開始

19:00受付終了

21:00終礼終了

 

受付時間が10:00~19:00だとしたら、

これだけで8時間勤務と1時間の休憩が消化されますね。

 

このケースだと2時間30分が時間外労働で

割り増し賃金を支払うことになります。

 

朝礼の開始の9:30から10:00までの30分

19:00から21:00までの2時間

 

少しでもわかりやすいように時間を区切りましたが、

本来は9:30から18:30までが定時。

18:30から21:00が時間外労働となります。


実際の現場はどうでしょうか?

 

休憩時間が1時間取れているのでしょうか?
上記の事例のように2時間30分の時間外労働した分の

割増賃金が支給されているのでしょうか?

 

美容師が営業中に1時間の休憩をとるのは

たいへんなことかもしれません。

 

受付開始から受付終了まで15分おきに

お客様の予約が入っていれば、

食事なんかとれません。

 

ましてや1時間の休憩なんて、夢のまた夢...

これがいいとは言いませんけどね。

 

食事ができたとしても、カラーの放置タイムや

施術の合間の10分とか15分で食べ終えなければ

ならないのが現状でしょう。

 

時間外労働の割増賃金にしても然り。

時間外労働を時間外労働と認めてもらえない職場もあります。

 

お客様が退店してからの清掃、終礼、自己練習へと

続いていくのですが、時間の区切りを曖昧にしてる、

なんて話もあるぐらいですからね。

 

このあたりは勤務している美容室によって

違いがあるのではないかと思います。

 

いずれにしても、法令順守とはいかないのが現状です。

 

 

美容室の営業時間と美容師の勤務時間

美容室の営業時間

さて、美容師がどのくらい過酷な

労働環境に置かれているのか?

 

美容室の営業時間が10:00~19:00だと

仮定しましょう。

 

19:00にすべてを終わらせるためには

  • 16:00 パーマ&カラー受付終了
  • 17:00 カラー&カット、パーマ受付終了
  • 18:00 カット受付終了

といったように、受付終了時刻が想像できます。

 

また、ある美容室では

18:00 すべてのメニュー受付終了

 

更には、

19:00 すべてのメニュー受付終了

 

 

このように美容室の営業時間といっても

オーナーさんの考え方ひとつで様々に変化します。

 

実際には営業時間で運営している美容室と

受付終了時間で運営している美容室に分かれ

ている状況にあります。

 

そして、営業が終了してから清掃、ミーティング、

カルテの整理、POP作成、自己練習、

臨店講習とやることが満載です。

 

このように美容師は朝から夜遅くまで

働いている人がほとんどです。

 

これはお客様が来店してから

最後のお客様が退店するまでの時間になります。

 

19:00にパーマ&カラーのお客様が来店したら

22:00(多少前後します)にお客様が退店される

ことになるでしょう。

 

これが基本的な営業時間ですね。

 


美容師の勤務時間

今度は、美容師の勤務時間をみていきましょう。

 

まず、朝礼からスタートですね。

お店が10:00に開店するのでしたら、

それの少し前ですから9:30くらいでしょうか?

 

そこからお客様の退店、清掃、終礼や

ミーティング終了までが勤務時間とされています。

 

朝の自己練習や夜の自己練習は、あくまでも

個人のスキルアップ、キャリアアップが根底に

ありますので勤務時間にはカウントされません。

 

美容師の一日の事例

8:00 朝練スタート

9:30 朝礼スタート

10:00 お客様の施術スタート

19:00 最終受付

 

営業終了は受付終了時のメニューによって

終わりの時刻は左右されます。

 

清掃・終礼は19:00に受付したお客様が

退店されてから始めます。

清掃、終礼が終わったら夜の自己練習です。

 

そして深夜0時を迎えるころに退店、帰宅...

帰宅後に食事や入浴、睡眠時間を削って

自分の趣味の時間を作り出し就寝。

 

朝は6:30とか7:00に起床して出勤の準備。

 

休日は前述のとおり、休み返上でメーカーや

ディーラーの講習会に参加したり撮影会や

フォトシューティングに参加。

 

このサイクルが毎日とは言いませんが、

これが美容師の一日です。

 

美容師が転職を考える理由

 

前回は、美容師や美容室の職場環境の現状について紹介しました。

 

美容師は過酷な労働環境におかれてますが、常に技術を磨くというプロとしての意識、自身のキャリアアップのためという理由が隠されています。

 

今の時代にそぐわないかもしれませんが、このような実情に耐えられない人は、美容師は向いていないかもしれません。

 

今回は美容師や美容師アシスタントが転職を考える理由についてご紹介していきます。



 


転職を考える理由1:美容師の労働環境と賃金

 美容師が転職を考える代表的な理由の1つとして、長時間労働なのに賃金がそれほど高くないことです。

 

美容室に入社後は美容師の新人アシスタントとして2年から3年は従事することになります。

 

この間の勤務時間はアシスタント、スタイリスト関係なく、みんな同じ時間勤務することになります。どちらかといえばアシスタントのほうが、開店前の練習や準備、営業後の練習などがあるので拘束時間は長くなっています。

 

入社して間もないころは職場環境に慣れない、仕事に慣れないなどの理由から肉体的な疲労が溜まりやすいです。

 

さらに初任給として、それほど多くない月給が支給されます。入社してしばらくは「労働時間に対して給料はこれだけ?」と落胆する人も多いようです。

 

時給換算したらこんなに低いの?と労働の対価としての賃金が少ないと不満につながり、美容師が転職を考えるタイミングだと言われています、

 

転職を考える理由2:体調不良や精神的なプレッシャー

美容師の仕事をする上で体調不良を招く原因の一つとして、腰痛を訴える人が多いです。

 

例えばシャンプー、その中でもサイドシャンプーで腰を痛めるケースが多いです。お客様が多い時は朝から晩まで一日中、中腰でシャンプー施術を行うこともあります。

 

腰を曲げずに膝を曲げて腰を落とす状態で施術を行えば腰への負担も軽減できますが、つい腰を曲げて施術してしまいます。

 

単なる腰痛からぎっくり腰、さらにはヘルニアなどで体調を崩される人が多いです。

 

また、シャンプー剤やお湯で肌の油分が奪われ手荒れがおこります。一般的な手荒れと違い美容師の手荒れは重症化する傾向にあります。特にアレルギー体質だったり敏感肌の場合です。

 

入社してから1年~2年間はシャンプーをする機会が多く、手荒れは避けられない状況にあり、離職する美容師も少なくありません。

 

体調不良以外では精神的にキツいといった体調不良もあります。

  • パワハラ
  • セクハラ
  • 勤務時間と練習時間で長時間の拘束
  • 接客面での負担

などが原因で体調不良になる場合もあります。

 

労働環境への不慣れ、職場の対人関係の不慣れ、仕事・業務への不慣れという状況での接客は、精神的にも負担大きいのです。

 

家族と過ごす時間よりも職場の上司や先輩、同期のスタッフたちと過ごす時間のほうが長くなり、精神的にも疲れ離職するケースも多くあります。

 

このように体調面や精神面、または両方の理由により、美容の仕事は好きだけどこれ以上続けることができない...美容師から転職を考える理由の一つとなっています。

 

転職を考える理由3:年齢的な限界と将来性

男女ともに結婚を考えた時、出産を考えた時に、年齢的な限界と将来が見通せない不安から転職することを考えるようです。

 

勤務している美容室によっても異なりますが、

  • 美容師のサロン滞在時間が長時間にわたる
  • 休日が少ない
  • 共働きorダブルワーク以外は家庭を持って生活すること自体厳しい
  • 福利厚生が整備されていない

このような理由から、将来設計ができずに転職を考えてしまうことがあります。

 

この他にも男性の場合、40代や50代になっても現場でサロンワークを行う難しさも考えられます。

 

年齢を重ねるとともに、入客数や指名客も減りサロンでの居場所がなくなる...といったきびしい現実が待ち構えています。

 

今までの美容業界からの流れでは、男性美容師はある程度のキャリアを積んだら独立して経営者になる事がほとんどでした。

 

しかし、近年の美容室の乱立や価格競争により独立することに魅力がなくなり、ある程度の年齢で美容師をあきらめる...そんな男性美容師もいることは事実です。

 

美容師が転職を考える理由

  • 美容師の労働環境と賃金
  • 体調不良や精神的なプレッシャー
  • 年齢的な限界と将来性

について、いろいろご紹介しました。

 

美容師は一見華やかに見える業界ですが、実はとても地味な職業でもあります。

 

技術や接客術のスキルアップ、キャリアアップが常に求められ、その結果、営業開始前後の自己練習や休日返上のセミナー参加、立ち仕事から来る健康面の不安、労働環境などの問題も抱えています。

 

美容師になりたい!と思った日に立ち返って、自分は何がしたいのか?!美容師を続けていくのか?転職をするのか?自問自答し結論を導き出す事をおすすめします。



 

美容師の過酷な職場環境

 

美容師になるには、都道府県知事の指定した美容師養成施設(美容専門学校)において厚生労働省令で定める期間の教育を受けた後、美容師国家試験に合格後、免許を取得する必要があります。

 

美容師養成施設(美容専門学校)卒業後は美容室に就職します。

 

しかし、美容師になったはいいが理想と現実のギャップに苦しめられ...

「こんなにキツイの?!」「美容師なんか、もう辞めてしまいたい」と思う人も多数います。特に美容師のアシスタント時代は厳しいです。

 

なぜかというと、美容師はお客様の髪や頭皮、顔などを直接触れる特別な仕事です。

 

お客様に安心して任せてもらうためには信頼感や安心感を与えられる人でなければなりません。

 

技術的なことだけでなく言葉遣いや行動、身だしなみなどの接客術も身につける必要があるのです。こうして少しずつ技術や接客術を身につけ2年から3年経験を積むことで、ようやくヘアスタイリストとして活躍し始めます。

 

カット、パーマ、ヘアカラーリング、ヘアスタイリング、セットやアップ、メイク、着付けなどお客様の要望に応じてデザインできるようになるのがこの頃です。

 

このように技術や接客術を身につけるまでは大変かもしれませんが、一度身につけてしまえばずっと仕事することができます。

 

自分のライフプランにあわせてお店を変える、独立をする、少しの間仕事を休むなど、働き方は様々に選択できそうですが、実際のところはどうでしょうか?



 

 

休日も少なく、休憩時間もとりにくい

美容室の現場では施術以外にもやることがたくさんあります。

  • お客様への施術
  • 来店されたお客様のカルテ記入
  • 店内のPOP作成
  • 店外でチラシの配布

お客様が多数来店する美容室では営業時間内は施術に専念し、その他の事(お客様のカルテの記入や店内POPの作成、駅前でのモデルハントなど)は営業時間外にやるのです。

 

営業中の食事休憩もまともに取れない事がほとんどです。
まったく食事休憩の時間が取れず夕方や夜を迎えることも多々あります。

 

また、店舗が休みの日はメーカーやディーラーが主催する研修に参加することが多く休みが潰れることもあります。

 

キャリアアップのためには休日返上も

美容室に入社してからスタイリストとして髪が切れるようになるまでの数年間はお店の開店前に練習して、さらに営業終了後は深夜まで残ってカットの練習したりするのが当たり前の職種です。

 

最低3年間は練習するという美容師が大多数です。そして美容師としての一定の技術を身に付けたその後は...今度は後輩の練習を面倒見るために残ります。

 

土曜日や日曜日、祝祭日に遊びたい、たいへんな思いはしたくない、と言う人は美容師に不向きです。

 

一般企業のような休暇(お盆や年末年始、GW、有給休暇)、さらには週休2日もないのが実態です。

 

このような労働環境で働く事が厳しい人と思う美容師は、新人の美容師として入社後、早々に離職されるケースが多いです。

 

美容師として技術習得のため練習を繰り返しますが、自発的というよりは強制的というとらえ方をせざるをえないのが現状です。

 

練習をしなければ先に進めず、仕事を覚える、任されるのが同期のスタッフたちよりも遅れます。

 

その結果、次のステップに進むことはできず、いつまでも下積みの仕事だけをやり続ける事になり、辛く感じる期間が長くなります。