美容師が転職を考える理由
前回は、美容師や美容室の職場環境の現状について紹介しました。
美容師は過酷な労働環境におかれてますが、常に技術を磨くというプロとしての意識、自身のキャリアアップのためという理由が隠されています。
今の時代にそぐわないかもしれませんが、このような実情に耐えられない人は、美容師は向いていないかもしれません。
今回は美容師や美容師アシスタントが転職を考える理由についてご紹介していきます。
転職を考える理由1:美容師の労働環境と賃金
美容師が転職を考える代表的な理由の1つとして、長時間労働なのに賃金がそれほど高くないことです。
美容室に入社後は美容師の新人アシスタントとして2年から3年は従事することになります。
この間の勤務時間はアシスタント、スタイリスト関係なく、みんな同じ時間勤務することになります。どちらかといえばアシスタントのほうが、開店前の練習や準備、営業後の練習などがあるので拘束時間は長くなっています。
入社して間もないころは職場環境に慣れない、仕事に慣れないなどの理由から肉体的な疲労が溜まりやすいです。
さらに初任給として、それほど多くない月給が支給されます。入社してしばらくは「労働時間に対して給料はこれだけ?」と落胆する人も多いようです。
時給換算したらこんなに低いの?と労働の対価としての賃金が少ないと不満につながり、美容師が転職を考えるタイミングだと言われています、
転職を考える理由2:体調不良や精神的なプレッシャー
美容師の仕事をする上で体調不良を招く原因の一つとして、腰痛を訴える人が多いです。
例えばシャンプー、その中でもサイドシャンプーで腰を痛めるケースが多いです。お客様が多い時は朝から晩まで一日中、中腰でシャンプー施術を行うこともあります。
腰を曲げずに膝を曲げて腰を落とす状態で施術を行えば腰への負担も軽減できますが、つい腰を曲げて施術してしまいます。
単なる腰痛からぎっくり腰、さらにはヘルニアなどで体調を崩される人が多いです。
また、シャンプー剤やお湯で肌の油分が奪われ手荒れがおこります。一般的な手荒れと違い美容師の手荒れは重症化する傾向にあります。特にアレルギー体質だったり敏感肌の場合です。
入社してから1年~2年間はシャンプーをする機会が多く、手荒れは避けられない状況にあり、離職する美容師も少なくありません。
体調不良以外では精神的にキツいといった体調不良もあります。
- パワハラ
- セクハラ
- 勤務時間と練習時間で長時間の拘束
- 接客面での負担
などが原因で体調不良になる場合もあります。
労働環境への不慣れ、職場の対人関係の不慣れ、仕事・業務への不慣れという状況での接客は、精神的にも負担大きいのです。
家族と過ごす時間よりも職場の上司や先輩、同期のスタッフたちと過ごす時間のほうが長くなり、精神的にも疲れ離職するケースも多くあります。
このように体調面や精神面、または両方の理由により、美容の仕事は好きだけどこれ以上続けることができない...美容師から転職を考える理由の一つとなっています。
転職を考える理由3:年齢的な限界と将来性
男女ともに結婚を考えた時、出産を考えた時に、年齢的な限界と将来が見通せない不安から転職することを考えるようです。
勤務している美容室によっても異なりますが、
- 美容師のサロン滞在時間が長時間にわたる
- 休日が少ない
- 共働きorダブルワーク以外は家庭を持って生活すること自体厳しい
- 福利厚生が整備されていない
このような理由から、将来設計ができずに転職を考えてしまうことがあります。
この他にも男性の場合、40代や50代になっても現場でサロンワークを行う難しさも考えられます。
年齢を重ねるとともに、入客数や指名客も減りサロンでの居場所がなくなる...といったきびしい現実が待ち構えています。
今までの美容業界からの流れでは、男性美容師はある程度のキャリアを積んだら独立して経営者になる事がほとんどでした。
しかし、近年の美容室の乱立や価格競争により独立することに魅力がなくなり、ある程度の年齢で美容師をあきらめる...そんな男性美容師もいることは事実です。
美容師が転職を考える理由
- 美容師の労働環境と賃金
- 体調不良や精神的なプレッシャー
- 年齢的な限界と将来性
について、いろいろご紹介しました。
美容師は一見華やかに見える業界ですが、実はとても地味な職業でもあります。
技術や接客術のスキルアップ、キャリアアップが常に求められ、その結果、営業開始前後の自己練習や休日返上のセミナー参加、立ち仕事から来る健康面の不安、労働環境などの問題も抱えています。
美容師になりたい!と思った日に立ち返って、自分は何がしたいのか?!美容師を続けていくのか?転職をするのか?自問自答し結論を導き出す事をおすすめします。