美容師の過酷な職場環境
美容師になるには、都道府県知事の指定した美容師養成施設(美容専門学校)において厚生労働省令で定める期間の教育を受けた後、美容師国家試験に合格後、免許を取得する必要があります。
美容師養成施設(美容専門学校)卒業後は美容室に就職します。
しかし、美容師になったはいいが理想と現実のギャップに苦しめられ...
「こんなにキツイの?!」「美容師なんか、もう辞めてしまいたい」と思う人も多数います。特に美容師のアシスタント時代は厳しいです。
なぜかというと、美容師はお客様の髪や頭皮、顔などを直接触れる特別な仕事です。
お客様に安心して任せてもらうためには信頼感や安心感を与えられる人でなければなりません。
技術的なことだけでなく言葉遣いや行動、身だしなみなどの接客術も身につける必要があるのです。こうして少しずつ技術や接客術を身につけ2年から3年経験を積むことで、ようやくヘアスタイリストとして活躍し始めます。
カット、パーマ、ヘアカラーリング、ヘアスタイリング、セットやアップ、メイク、着付けなどお客様の要望に応じてデザインできるようになるのがこの頃です。
このように技術や接客術を身につけるまでは大変かもしれませんが、一度身につけてしまえばずっと仕事することができます。
自分のライフプランにあわせてお店を変える、独立をする、少しの間仕事を休むなど、働き方は様々に選択できそうですが、実際のところはどうでしょうか?
休日も少なく、休憩時間もとりにくい
美容室の現場では施術以外にもやることがたくさんあります。
- お客様への施術
- 来店されたお客様のカルテ記入
- 店内のPOP作成
- 店外でチラシの配布
お客様が多数来店する美容室では営業時間内は施術に専念し、その他の事(お客様のカルテの記入や店内POPの作成、駅前でのモデルハントなど)は営業時間外にやるのです。
営業中の食事休憩もまともに取れない事がほとんどです。
まったく食事休憩の時間が取れず夕方や夜を迎えることも多々あります。
また、店舗が休みの日はメーカーやディーラーが主催する研修に参加することが多く休みが潰れることもあります。
キャリアアップのためには休日返上も
美容室に入社してからスタイリストとして髪が切れるようになるまでの数年間はお店の開店前に練習して、さらに営業終了後は深夜まで残ってカットの練習したりするのが当たり前の職種です。
最低3年間は練習するという美容師が大多数です。そして美容師としての一定の技術を身に付けたその後は...今度は後輩の練習を面倒見るために残ります。
土曜日や日曜日、祝祭日に遊びたい、たいへんな思いはしたくない、と言う人は美容師に不向きです。
一般企業のような休暇(お盆や年末年始、GW、有給休暇)、さらには週休2日もないのが実態です。
このような労働環境で働く事が厳しい人と思う美容師は、新人の美容師として入社後、早々に離職されるケースが多いです。
美容師として技術習得のため練習を繰り返しますが、自発的というよりは強制的というとらえ方をせざるをえないのが現状です。
練習をしなければ先に進めず、仕事を覚える、任されるのが同期のスタッフたちよりも遅れます。
その結果、次のステップに進むことはできず、いつまでも下積みの仕事だけをやり続ける事になり、辛く感じる期間が長くなります。